けれどおもいでは、
いつもやわらかくてあたたかいいろをしている。
きっとすぎ去ったものはすべてこういうものなのだろう、と
頭をたれてうなだれるように目をとじる。

8月31日の日記

2005年8月31日 ポエム
もう、何が無くなってもいいと思う反面
ごく些細なものを失う事を極端に恐れる事がある。

なくなるという事が
いまも、とても恐いよ





そういえば何だったか
「違う景色を見ていても、手を繋いでいればいい」と
そんな言葉を聞いたことがあった。
妥協ではなくて、諦念でもなくて、
まもろうとするきもちがおなじなら、
ずっと 手を繋いでいられたのか

腐敗する花

2005年8月24日 ポエム
大切だったはずのものを忘れていると気付いた時
先行するのは心という意志ではなく体なのだと気付いて死にたくなった。

大切な事を忘れているという事がこんなに恐ろしいことだなんて
日々は、毎日は、愛してやまなかったものたちは

一体何だったというんだ 返して欲しいものがたくさん

8月5日の日記

2005年8月5日 ポエム
けれど私が望んでいるのは
一緒に生きることではなくて
一緒に死んでくれることだったんだよ
守りたい人がいました、と言った。
夕焼けのオレンジ色をバックに真っ黒なカラスが幾羽も羽ばたいていた。
僕はそこで多くの光を見ました。
どこにもない楽園の意味を知る。
そして僕は愛することを思い出す。

春の陽

2005年7月25日 ポエム
春に浮かぶ日は全て暖かいわけではないのだからと
身を縮めて夏の太陽を思った。
絶え間なく満ちているその熱量の重さを想った。
想いが等価であるなら、
こんなことにもならないのだろうかと夢想してみたが、結局、
理想は理想であり現実は現実であるという極論に達して
思考を滞らせた。
僕はいつも思考の中で生きているのかもしれない。
彼に触れる事を想う時、それは赤でも紫でも
ピンクでもなく、青いいろをしている。
透き通った、後ろに何か立てば
透けて映ってしまいそうなほど透明な青色だ。
もう随分前からそうだ。
優しさや暖かさや愛しさは全部、
その青色の中に吸い込まれてしまって
独立する事なく相俟ってたゆたっている。
それが悲しいとか、悔しいとか、嬉しいとか思う事さえ出来ない。

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